ナフサの価格変動
現代の電線工業は、 プラスチックという優れた絶縁材料を供給する石油化学工業なしでは成立しませんが、 日本の石油化学工業の原料の 6 割がナフサ(naphtha)と呼ばれる、 原油由来の物質(注1)ですから、 世界的な資源枯渇問題に起因する、最近の原油(crude oil)とナフサの高騰は、 電線の製造原価に直結し、 電線価格に大きな影響を与えるようになりました。

最近のプラスチック価格は、 ナフサスイライド制に移行してきましたので、 電線価格の指標としても、 電気銅と共に、 ナフサの動向から眼が離せなくなっています。

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注1 ナフサ

原油を蒸留するとき、最初に出てくるのが沸点 30〜200 ℃のナフサで、 エチレン、プロピレン、ブタジエンなどの石油製品の原料となるほか、 都市ガスの原料、燃料、ガソリンの原料としても使われます。

日本では、その大半を輸入に依存しますので、 財務省の「貿易統計」の CIF 価格が指標として使われ、 その四半期ごとの値が国産ナフサの価格決定基準になります。

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