電気銅のほとんどの売買が、 「LME」 (London Metal Exchange - ロンドン金属取引所)で行われるため、 世界の銅の価格は「LME」の価格に連動して変動することになります。 この価格は需給関係以外に、投機的な取り引きにより、大きく変動し、 その予測は極めて困難です。しかも、国内価格の場合は、さらに、 通貨の為替変動を考慮しなければなりません。
電線の主原料は銅とプラスチックですから、 原料コストに於ける銅の比重が大きな電線では、 その価格も銅価格の変動にスライドして変わることになり、 銅価の変動から目が離せません。このグラフは、需給関係に大きな影響を与える、 LME 在庫と日本国内の電気銅建値の推移です。
銅(Cuprum)は人類が最も古くから使い続けてきた金属ですが、その名称は 3000 BC 年頃、 多量の銅を産出したキプロス(Cyprus)から採れる金属(Cyprium)と呼ばれたのが起源で、 後に「Cyprum」から「Cuprum」に変化したのが、 銅の元素記号「Cu」の起源になったようです。
なお、電気銅の価格にはCOMEX 銅 (ニューヨーク商品取引所の銅相場)も影響を与えます。 LME銅はドル/トン表示ですが、 COMEX銅相場はセント/ポンドですから、 1 ポンド = 16 オンス = 0.4536 kg = 0.0004536 トン、セント = 0.01ドル で換算して、 COMEXの値/0.04536 を LME と比較することになります。