ワイヤ・ゲージ、抗張力、直流抵抗の計算 (AWG, mil, mm, square-milimeter)
ワイヤの導体サイズの表示法はいろいろありますがよく使われるのは、次の二
つです。詳細は「電子機器用ワイヤ・ケーブル概論」を参照してください。
AWG (American Wire Gauge)
- AWG は BS (Brown & Sharp wire gauge) とも呼ばれ、単線導体の直径 5 mil
を 36 AWG、直径 460 mil を 4/0 AWG として、その間を面積について等比
数列になるように割り振ったものです。撚線導体の場合は、同じ断面積の
単線導体のサイズを使います。サイズが大きくなると、細くなることに注
意してください。0 AWG を越えるサイズは 2/0, 3/0, 4/0, ..と表示しま
す。3/0 は 000 の意味です。伸線工程では、銅線がダイスを通過する度
に断面積が一定の割合でで減少しますから、AWG サイズはダイスを通過
する度に 1 づつ増えるという、製造工程に密着したシステムになってい
ます。
mil
- 単線の直径を mil 単位で表します。mil は 1/1000 inch です。断面積は
CM で表示しますが 1 CM は直径 1 mil の円の断面積になります。
millimeter wire gaging system
- ミリメータ・ワイヤゲージは、 単線導体の導体の直径を mm あるいは
1/10 mm の倍数で表したもので、撚線の場合は、断面積を mm^2、つまり、
スクエア・ミリメータ (square-milimeter) で表します。ISO 等の国際
規格で使われています。
ほとんどの導体は、銅でできていて、円形の断面を持っていますから、残ったパラ
メータとして重要なのは、直径と断面積です。当然、導体サイズも、この二つに注
目したシステムにならざるを得ませんが、断面積が導体抵抗を決める最大の要因で
あることに注意してください。電流容量も導体抵抗と放熱条件できまりますから、
導体の一番大切な特性が、断面積で決まることになります。
平林 浩一