指定された特性インピーダンス、速度係数、減衰定数を持つ、 一般的な伝送線路の「SPICE」モデルを生成します。 同軸ケーブルや平衡ケーブル以外でも、 誘電体損失や他の回路との結合が無視できれば、 プリント基板の配線等、広い範囲の伝送線路に適用することができます。
このモデルでは、 導体抵抗と導体内部インダクタンスの周波数特性を、 R1, R2, L2, R3, L3, .. のネットワークで近似していますので、 SPICE のような時間軸のシミュレータで、 伝送線路の周波数特性を考慮した解析ができます。 外部インダクタンスとキャパシタンスは、 「L-R, T モデル使用」を選択すると 速度係数と線路長による伝搬遅延を考慮したモデル、 「減衰と位相歪のみ」を選択すると伝搬遅延なしのモデルを生成します。
なお、SPICE を使わずに、 「Backward Euler Method」(後退オイラー法)によるプログラムを自作して 過渡応答を求めることもできます。
モデルの精度は「標準」で 6 %、「高精度」で 2 %、「低精度」で 12 % 程度です。
「伝送波形の上限周波数」はこのモデルが使える上限周波数になります。 パルス波形のシミュレーションに使う場合は、よく知られた目安、
伝送波形の上限周波数 = 0.35 / 波形の立ち上がり時間 / 1e6 (MHz)
注 - SPICEには無損失線路T(Lossless Transmission Lines)、 損失のある線路O(Lossy Transmission Lines)、 RC 分布線路U(Uniform Distributed RC Lines)がありますが、 O, Uいずれも導体抵抗の周波数特性を考慮していないため、 長いケーブルの伝送波形が得られません。