2芯平行導体の近接効果の計算

1. 往復円柱導体

導体径 (D mm)
導体間隔 (S mm)
シールド内径 (D0 mm)
シールド外径 (D1 mm)
周波数 (Hz)
導体の導電率 (軟銅を 1.0 とする)
導体の比透磁率 (真空を 1.0 とする)
シールドの導電率 (軟銅を 1.0 とする)
シールドの比透磁率 (真空を 1.0 とする)
計算
シールド内径を 0 にするか導体間隔に対して十分大きくすれば、シールドなしの 場合になります。シールド外径を 0 にすると、シールドを完全導体(導電率無限大) とみなした計算を行います。また、シールドの導電率と比透磁率を 0 にすると、 導体と同じ材料でできていると見倣します。

2. 往復円柱/円筒導体

導体外径 (a mm)
導体内径 (b mm)
導体間隔 (s mm)
周波数 (Hz)
計算
導体内径を 0 にすれば、円柱導体になります。


解説

多芯ケーブルの交流抵抗とインダクタンスを計算する場合は、

  1. 表皮効果
  2. 近接効果
  3. シールドや他の導体の渦電流損失
を考慮しなければなりませんが、ここでは、表皮効果と近接効果を考慮すれば済む 2芯平行線について、解析的に解けて、設計で頻繁に使われる重要なケースをまとめて おきます。

他の導体が存在するときは、さらに導体抵抗が増加し、インダクタンスは減少します。

最初の計算は

  V.Belevitch,- Theory of Proximity Effect in Multiwair Cables
	(Philips Res. Repts, 32, 16-43/96-117, 1977)
に基づくもので、抵抗とインダクタンスの両方を計算することができます。

2つめの計算は

  A.H.M.Arnold,- Proximity Effect in Solid and Hollow Round Conductors
	(Jour. I.E.E. vol 88, Part 2, 349-359, 1941)
に基づくもので、インダクタンスの計算はできませんが、円柱導体と円筒導体の 両方を扱うことができます。表皮深さが導体厚(半径)の 1/3 以下の場合は、 V.Belevitch が求めた高周波近似によるインダクタンスも計算して表示するように してあります。

なお、

空気の透磁率は 4e-7*π (H/m), 銅の導電率は 5.8e7 (S/m) です。
空気の透磁率は 4e-7*π (H/m), 銅の導電率は 5.8e7 (S/m) です。

1999-04-20 平林 浩一