アイダイアグラムは同じビットがたくさん連続するほど悪化しますので、多くの規格 では最大連続ビット長(run length)を 2 とか 3 に制限していますが、この制限を 加える場合は、「最大連続ビット長」にその値を入力してください。0 の場合は 最大連続ビット長の制限をしませんので、無限長の乱数列に対する(最悪の) アイ・ダイアグラムが得られます。
ただし、最良のトレースと最悪のトレースの中間 については、有限時間で終れるようにかなり間引いた表示をしています。
例えば、AES3 規格で使用するケーブルのアイ・ダイアグラムを求めるのであれば、 実際に使用するケーブルの使用長でステップ応答を調べた結果、 50 % 立上り時間が 14.3 ns になったとすると、「パルス幅」に 16ne-9、 「立上り時間」に 14.3e-9、「最大連続ビット長」に 3 を入力することになります。
ケーブルの 50 % 立上り時間を実測できない場合は、ケーブルの減衰定数を元にして、 下記の方法でその近似値を求めることができます。
T = 0.350 * (α*l)^2/f ここに、 T = ケーブルの 50 % 立上り時間 (s) α = 周波数 f (Hz) に於けるケーブルの減衰定数 (neper/m) l = ケーブルの長さ (m)現場のデータでは、減衰定数の単位が dB になっていたり、長さの単位が feet に なっていたりすることがありますが、下記のように換算してください。
1 dB = 8.686 neper 1 feet = 0.3048 m 1 dB/feet = 0.03509 neper/m
一般には知られていませんが、よくできたケーブルを使う限り、アイ・ダイアグラム はケーブルのステップ応答の 50 % 立ち上がり時間で規格化したビット幅と 連続する同じ値のビットの最大長だけで決まることが証明でき、それがこのプログラム の根拠になっています。
平林浩一, 2000-03-28